紫金山で見つけた『ラップぐるぐる巻きの木』!?
JR岸辺駅から徒歩20分、吹田市博物館や窯跡遺跡、吉志部神社などがある<紫金山公園>。
山ごと公園になっている広大な公園です。公園の4割を占めるのが「釈迦ヶ池」。
そんな、公園内を散策していたら、不思議な物を見つけました・・・
『ラップぐるぐる巻きの木』
なに?なんのため??
寒いから?もしくは、ラップ巻きダイエット???いたずら????
森の全部の木ではなく、ところどころに『ラップ巻きの木』が点在しています。
結構な高さまで巻かれています。
はじめて見る光景です。不思議です。
『ラップ巻きの木』を探して歩いて行くと、1本の木にこんな看板が掛っていました。
「カシノナガキクイムシの侵入予防のため、フィルムを巻いています。取ったり、破いたりしないでください。よろしくお願いします。吹田市」
【カシノナガキクイムシ】?
虫予防のための『ラップぐるぐる巻き』だったんですね。でも・・・、虫予防にラップ??なかなか興味深い。
調べてみました。
まず【カシノナガキクイムシ】(ウィキペディアより)
コウチュウ目・ナガキクイムシ科の昆虫である。広葉樹に被害を与える害虫である。成虫の体長は5㎜程度の円筒状であり、大径木の内部に穿孔して棲息する。穿孔された樹木は急速に衰える。夏場でも葉が真っ赤に枯れることから、景観上の問題となることもある。
カシノナガキクイムシの幼虫
カシノナガキクイムシ成虫
(以上2枚 大阪府HPより画像)
この害虫による被害は「ナラ類集団枯損(ナラ枯れ)」と言われていて、府内では21年、高槻で見つかり大阪府内で広がりつつあるようです。大阪府のHPにも「カシノナガキクイムシ」についての注意・対策のページを設置しています。(詳しくはこちらをご覧ください⇒「大阪府HPカシノナガキクイムシのナラ枯れ被害」)
ナラ類集団枯損(ナラ枯れ)とは?
6月から8月頃に体長5ミリほどのカシノナガキクイムシが、健全なナラ・カシ類の幹に穴を開けて内部に入ります。このとき、カシノナガキクイムシの体に付着したナラ菌が内部に持ち込まれます。ナラ菌は木全体に広がり、通水が阻害された木は衰弱し、やがて枯死してしまいます。 翌年6月頃、次世代の成虫が羽化・脱出し、近くの健全な木に集中(1本当たり2から3万匹)して穴を開けて入り込みます。
(大阪府HPより)
この害虫による被害は全国的に広がっていて農林水産省のHPにも注意喚起・対策例が掲載されています。
こちら⇒農林水産省HP「ナラ枯れ発生状況」
そのページの中で「ナラ枯れ防除手法」の項目がありそこに、紫金山で見つけた『ビニール巻き』も紹介されていました!農林水産省が進める防虫手法なんですね。いたずらでも、防寒でもなく、この『ラップぐるぐる巻き』は木たちを守る大切な方法だったんですね。自然なので、完璧に隙間なくビニールを巻きつける事は出来ないとは思いますが、効果はあるようです。
よく見ると紫金山の木々にはナンバリングされているものがあります。
ナラ枯れ被害を受けた木でしょうか?赤いテープには「枯れ」と書かれていました。
木の上の方を見ると、ところどころ幹がはげていて、弱っているのがわかります。
寄生された木でしょうか?ラップを巻かれたまま切られた木も。
紫金山で「ナラ類集団枯損」が発生したという事例があったのかはわからなかったのですが・・・、そうならないように大切に見守って行きたいですね。
紫金山公園はこちら↓
[map]吹田市岸部北4-18[/map]
(あやさく)